日々の研究や水処理のアレコレなどを綴ります

pH

【pHの世界 vol.1】pHと色

 2024/11/13   

あなたは「pH」と聞いて何を思い浮かべますか?
子供のころの理科の授業で見たリトマス試験紙やBTB液、フェノールフタレインを使った実験の印象が強いという方も多いのではないでしょうか?
そういわけで、以前告知させていただいた「pHの世界」、連載第一回目のテーマは「色」です!
pHと色の意外な(?)関係に迫ります🔍

前出の告知記事でも溶液の色が変化する様子を動画でご覧いただきましたが、ここでもう一度この動画を見てみましょう。

こちらはBTBでもフェノールフタレインでもなく、エリオクロムブラックT(EBT)という指示薬によるものです。
pH6以下で赤、7~11で青、12以上ではオレンジ色になりますが、EBTは一般にはpH指示薬としてではなく金属指示薬等に利用されています。ブログに掲載するために今回だけの特別な操作を行い撮影しました。

pHによって色が変わるものは指示薬だけではありません。
紅茶にレモンを入れた時に色が薄くなったと感じたことはありませんか?
これは紅茶に含まれるポリフェノール系の色素が酸性で色が薄くなる性質を持つためです。

ポリフェノールの中でも特にアントシアニンはpHによる色の変化が顕著で、紫キャベツなどアントシアニンを含む食材が酢やレモン汁などの酸性の調味料で鮮やかな赤やピンクに変わるのを目にされたことがあるかもしれません。
他にも、酸性のヨーグルトにブルーベリーを入れると色がより鮮やかになったり、赤紫蘇で梅干しがきれいな赤に染まったりと、身近なところでもpHによる色の変化を体験することができます。

「色」をテーマにお届けした第一回pHの世界、いかがでしたか?
次回以降もpHの世界を少しずつ掘り下げていきたいと思いますので、次回もどうぞお楽しみに!
土壌pHによって色が変わるアジサイの花

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曝気槽の泡対策の改善結果と効果的だった資剤

 2023/06/28   

2023.1.31に投稿した泡対策の記事のその後になります。

①ph
②油脂分解
③C/Nバランス調整
の対策を同時に行いました。

更に沈降性が改善されるように、空気量、返送量、MLSSなどの運転管理面も変化させ、対策いたしました。

SV30値は以下のように変化・改善しました。
2023.1.31日のSV30値・・・86%
  ↓ ↓ ↓
22023.6.18日のSV30値・・・68%

▼沈降性改善の様子

▼曝気槽1層目(粘性・臭気低下)

▼曝気槽5~6層目(酸素溶け込み良好)

曝気槽の状態は、1槽目は油分など負荷の高い排水のため泡は発生していますが、以前のような粘り気が減少していました。
また油分などの臭気も発生していません。

2~6槽はほとんど泡が無く粘性が低下し、酸素の溶け込みが良くなったため、空気量も10%程度削減できました。
(電気代の削減に繋がります)

対策資剤は以下となります。

油脂分解剤で使用したのはSANA-油トールBです。
澤本商事オリジナル特注品の、油脂分解の前処理剤です。
曝気槽のn-Hex減少の効果があります。
グリストラップから大規模排水処理場まで、対応可能です。
▼SANA-油トールB

油トールB

C/Nバランス調整に使用したのはSANA-N改1-SWです。
油脂や粘質が多い原水で曝気槽に粘性が発生したときや、BOD負荷が高い場合の栄養バランス調整剤です。
▼SANA-N改1-SW

SANA-N改1

対策資剤の選定も澤本商事で行っています。
排水処理場の困りごとは待ったなし!
すぐに駆けつけ、現場調査、水質検査、ラボテストまでを無料でさせていただきます。
お気軽にお問い合わせください。

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排水処理場でのトラブル相談「粘性増加」について

 2022/09/29   

先日食品加工業のお客様で、沈殿槽の代わりに膜を入れて処理しているお客様からご相談がありました。

「粘性が増加し膜処理の水量が減少し、膜洗浄を2回/月も行っている(通常は5~6か月/回)。何とか粘性を低下させる方法がないか?」
とのご相談でした。

原因を考えてみると、以下によることが推測できます。

季節の変わり目、排水処理場の微生物も変わり目となります。

①まずは夏から秋へと商品変更があります。(例:鍋物が多くなり練り製品が多くなるなど)

それによってBOD、COD、油分などの負荷が高くなることが多くなります。

②水温の変化→秋になることで水温が低下します。

それによって微生物の活性が低下しやすくなります。

③ ▼①②の結果によりフロック分散

▼糸状菌が増加

粘性が増加 → 沈降性不良 → 膜処理の場合は処理能力低下(水量低下)
※沈殿槽の場合は最悪は汚泥流出となります。

顕微鏡観察をすると、やはり糸状菌が多くなり粘性バルキング状態でした。

▼糸状菌が多く、粘性バルキング状態

また油分の負荷も増加し空気不足となり生物相も嫌気気味となっていました。
▼桿菌・球菌が増加している状態

 

【対策:糸状菌を減少させる方法】

①空気量増量

②phの適正値への調整

③油脂分解剤の添加

④微生物活性の栄養剤の添加

⑤返送量の調整

2週間後には粘性低下 260cp → 120cp

大きな汚泥フロック形成 → 糸状菌弱体化

となりました。

適性な対策を行うと1~2週間で改善致します。

 

排水処理場でお困りの症状がございましたら、ご相談ください。対策方法をご提案いたします。

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お盆休みと、夏の微生物対応

 2022/08/10   

明日から弊社もお盆休みとなります。
12日は急遽大阪からお客様がお見えになってGDVでチャクラ測定、商談等を行います。
廃水処理の緊急対応も致しますのでお困りがあればご連絡ください。
暑い時期は排水処理場の水温も上昇し微生物が厚さでへたばります。
そんな時の対応策(物理的な方法、化学的な方法)もお伝えいたします。
簡単な方法で臭気も改善出来たりもします。
案外ph大切なんです。
 
それでは良いお盆休みをお過ごしください。

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