日々の研究や水処理のアレコレなどを綴ります

排水処理の悪化対策

排水処理施設の補修工事や機器類メンテナンスの重要性

 2024/04/16   

こんにちは。澤本悟博です。

春になり、気温も20℃を超えるようになりました。
実は、気温や水温は、排水処理において重要なファクターとなります。
排水処理施設では、微生物の働きで汚水を浄化しているからです。
(気温や水温と微生物の関係については、こちらのブログ記事をご覧ください。
→ 冬の水温低下による排水処理トラブルのスピード解決

先日、排水処理場の調整槽内の補修を依頼され、現地調査に行ってきました。
飲料汚水のpH変動が大きく、3.5〜12.5となるため、槽内の壁面砂利が見えて痛みが激しい状態でした。

 

3年前にも飲料工場の槽内補修工事の実績があるため、今回も同じような方法で補修改善が可能かどうか、検討中です。
より良いご提案ができるよう、最善を尽くします。

▼飲料工場様の槽内補修工事の様子

弊社では、排水処理場に関わる補修工事や、機器類のメンテナンス、機器選定取替工事等も行っています。
正常に稼働する排水処理施設を維持するには、定期的なメンテナンスが必要です。
まずは現場を拝見して、最適なご提案をさせていただいております。
ぜひお気軽にお問い合わせください。

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曝気槽の泡対策の改善結果と効果的だった資剤

 2023/12/08   

こんにちは。澤本享宏です。

先日、弊社ウェブサイトからお問い合わせをいただいたお客様のところへ訪問してきました。

お問い合わせの内容は「曝気槽の泡がすごいので何とかしたい」というご相談でした。
お電話にて詳細をうかがうと、「泡がひどいときには曝気槽からあふれるほど発生する」とのことでした。

実際に現場に訪問した時には、当ブログ「曝気槽の泡」記事と同様の、ムース上の泡が発生していました。

▼曝気槽にムース状の泡が発生している様子

曝気槽のムース状の泡
気槽のムース状の泡

放線菌

▼分散汚泥フロック
分散汚泥フロック
▼放線菌汚泥
放線菌汚泥



やはり放線菌の繁殖が原因でした。
放線菌汚泥もできており、フロックも分散していました。

放線菌は油分(動植物油)が多いときに発生します。

また放線菌がミコール酸(油脂分)を出しムース状の発泡となります。

沈殿槽の水面にも増加し透視度が悪くなり、沈降性も悪化します。

今回の事象での弊社の対策は、以下の3点を重点的に対策いたしました。

①ph
②油脂分解
③C/Nバランス調整

曝気槽内環境を変えるだけで放線菌は減少します。それに伴い、泡も減少します。

上記の対策の油脂分解剤で使用したのはSANA-油トールBです。
澤本商事オリジナル特注品の、油脂分解の前処理剤です。
曝気槽のn-Hex減少の効果があります。
グリストラップから大規模排水処理場まで、対応可能です。

▼SANA-油トールB

C/Nバランス調整に使用したのはSANA-N改1-SWです。
油脂や粘質が多い原水で曝気槽に粘性が発生したときや、BOD負荷が高い場合の栄養バランス調整剤です。

▼SANA-N改1-SW

これらを投入した2週間後には泡も減少し、放線菌もいなくなっていました。
▼改善後の曝気槽の様子



上記のように油脂分解には油トールBは効果てきめんです。

排水処理場の困りごとは待ったなし!
すぐに駆けつけ、現場調査、水質検査、ラボテストまでを無料でさせていただきます。
お気軽にお問い合わせください。

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緊急事態⚠大至急どうにかしたい排水処理のトラブルにスピード対応

 2023/09/01   

沈殿槽からの汚泥流出、曝気槽が大量の泡で覆われる、強烈な悪臭の発生など、排水処理の現場ではこういった早急に対処しなければならないようなトラブルが様々な要因により引き起こされる場合があります。

スピード対応が求められる排水処理のトラブルに対して、澤本商事では、電話でのご相談(無料)や、速やかに現場に駆けつけての調査(無料)、汚泥を採取し分析やテスト(無料)など、スピード解決のためのサービスの一部を無料で提供しています。
↓詳細はこちら↓
排水処理水の悪化対策
水質検査の流れ

また、直接弊社まで汚泥1リットルをお送りいただいての分析も受け付けています。
水質の簡易分析、顕微鏡観察などを行い報告書にまとめてお渡ししておりますので、ぜひお問い合わせフォームからお申し込みください。
分析の依頼、ご相談はこちらから

曝気槽の泡

 2022/12/17   

お客様から「曝気槽にムース状の泡が増加して困っている」

とご相談がありました。

早速排水処理の現場を観察。

曝気槽泡

 

ムーズ状の泡

 

顕微鏡を観察

放線菌

 

やはりでした。

放線菌の繁殖が原因でした。

分散汚泥フロック

 

汚泥フロックも分散気味となり、

汚泥フロックにも放線菌が絡みついています。

放線菌は油分(動植物油)が多いときに発生します。

また放線菌がミコール酸(油脂分)を出しムース状の発泡となります。

沈殿槽の水面にも増加し透視度が悪くなります。

沈降性も悪化します。

弊社の対策は

ph

油脂分解

C/Nバランス調整

曝気槽内環境を変えるだけで放線菌は減少します。

当然泡も減少します。

他の微生物にも悪影響がある殺菌剤などは使用いたしません。

安全な方法で微生物・環境にも優しい対策を行います。

放線菌でお悩みの担当者の皆様ご連絡お待ちしています。

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排水処理場でのトラブル相談「粘性増加」について

 2022/09/29   

先日食品加工業のお客様で、沈殿槽の代わりに膜を入れて処理しているお客様からご相談がありました。

「粘性が増加し膜処理の水量が減少し、膜洗浄を2回/月も行っている(通常は5~6か月/回)。何とか粘性を低下させる方法がないか?」
とのご相談でした。

原因を考えてみると、以下によることが推測できます。

季節の変わり目、排水処理場の微生物も変わり目となります。

①まずは夏から秋へと商品変更があります。(例:鍋物が多くなり練り製品が多くなるなど)

それによってBOD、COD、油分などの負荷が高くなることが多くなります。

②水温の変化→秋になることで水温が低下します。

それによって微生物の活性が低下しやすくなります。

③ ▼①②の結果によりフロック分散

▼糸状菌が増加

粘性が増加 → 沈降性不良 → 膜処理の場合は処理能力低下(水量低下)
※沈殿槽の場合は最悪は汚泥流出となります。

顕微鏡観察をすると、やはり糸状菌が多くなり粘性バルキング状態でした。

▼糸状菌が多く、粘性バルキング状態

また油分の負荷も増加し空気不足となり生物相も嫌気気味となっていました。
▼桿菌・球菌が増加している状態

 

【対策:糸状菌を減少させる方法】

①空気量増量

②phの適正値への調整

③油脂分解剤の添加

④微生物活性の栄養剤の添加

⑤返送量の調整

2週間後には粘性低下 260cp → 120cp

大きな汚泥フロック形成 → 糸状菌弱体化

となりました。

適性な対策を行うと1~2週間で改善致します。

 

排水処理場でお困りの症状がございましたら、ご相談ください。対策方法をご提案いたします。

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