日々の研究や水処理のアレコレなどを綴ります

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日本で唯一の「天城抗火石を活用した排水処理技術」を 国内最大級の業務用専門展「ファベックス」に出展

 2025/04/01   

4月に入りました。新年度の始まりです。

金沢市の最高気温10℃と寒い日が続いています。

排水処理の微生物には季節変動が激しく辛い季節となっています。

代表の澤本悟博です。

 

4/15(火)~17日(木)

天城抗火石を活用した排水処理技術」を 国内最大級の業務用専門展「ファベックス」に出展いたします。

今回は三谷産業㈱と共同出店となります。

三谷産業㈱ケミカル事業部とSANA資剤での協業を皮切りに、排水処理のプラント受注もいたしました。

排水プラント事業の次なる展開のため今回の出展となっています。

三谷産業㈱プレスリリース

天城抗火石を活用した排水処理技術の大きな3つのメリット

メリット1環境負荷の低減

天城抗火石を活用して有機性排水の処理を行うことで、公共用水域への環境負荷を低減させることができます。処理過程で発生する余剰汚泥は、活性汚泥法に比べ5分の1~10分の1ほど削減可能です。
環境省の環境技術実証事業により効果が確認されました。
環境省ETV実証事業「天城抗火石散水ろ床法」詳細はこちら

メリット2コストの削減

工期が短く初期費用が抑えられ、運転時の消費エネルギーも低く、設備の入れ替え工事も不要なため維持費が安価です。また、糸状菌・放線菌の発生が少ないため、水質処理効果が安定しており、余剰汚泥が低減することで汚泥処理コストの削減も期待できます。

メリット3狭い範囲で設置可能

既存の排水処理設備に追加する形で導入でき、コンパクトに設置できます。

※天城抗火石を用いた散水濾(ろ)床装置(左) 排水が天城抗火石の中を循環し、微生物の力で浄化されます。(右)

イベント情報

本出展ブースでは、澤本商事の技術担当者によるデモ機を使ったご紹介をいたします。

イベント名
第28回 ファベックス2025(日本食糧新聞社主催)
日時
2025年4月15日(火)〜17日(木)10:00 〜17:00
会場
東京ビックサイト 東2ホール
参加費
5,000 円(税込)※招待券持参、事前来場登録は無料
Webサイト
https://www.fabex.jp/index.html

天城抗火石、展示デモ機等でご説明いたします。

弊社と三谷産業は、天城抗火石を用いた排水処理技術を広く提供していくことで、

環境負荷低減をはじめとする排水処理の課題解決に貢献してまいります。

ご来場お待ちしています。

天城抗火石散水ろ床法の詳細はこちら

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排水処理で起こる【バルキングチェックポイント3選】のご紹介

 2025/04/01   

こんにちは。澤本享宏です。
気温の上昇に伴い、微生物の活性も高まり、排水処理が安定してくる季節となりました。

本日は【バルキングのチェックポイント3選】をご紹介いたします。

さまざまなお客様のもとへ伺っていますが、お困りごとの中でもバルキングの発生割合が高いです。
バルキングとは、排水処理において活性汚泥の沈降性が悪化し、沈殿槽で固液分離が十分に進まない状態を指します。

今回は、これに当てはまれば即対策が必要!という現場でのチェックポイントを記載します。参考にしていただければ幸いです。

バルキングの種類などはこちらの記事をご覧ください。
バルキングとは?(数値化で対策・タイプ別バルキング改善方法)

チェックポイント1汚泥界面が1mを切った時

汚泥界面
※この写真はちょうど汚泥界面1m

汚泥界面:沈殿槽で水と汚泥が分離する境界面のこと。つまり、処理された汚泥が水面から何m下にあるかを示します。

上記のように、汚泥が水面近くまで上昇している場合は、越流の危険信号です。即対策が必要です。

チェックポイント2SV30が90~100%の場合

SV30が90~100%の場合

SV30:曝気槽の最終槽の汚泥をシリンダーに入れ、30分後にどこまで沈降するかを調べる指標。

※SVは Sludge Volume(スラッジ・ボリューム) の略で、スラッジ=汚泥(微生物の塊)を意味します。

SV30で沈降しない場合、有機物の分解が遅れており、沈殿槽でも沈降不良を引き起こす可能性があります。

チェックポイント3汚泥の粘性がトロトロで、粘度の数値が20以上

汚泥の粘度の数値が20以上
※写真の粘度は90です。

粘度が高いと、曝気槽の汚泥がチョコレートのように粘度を持ちます。採水してみるとトロトロの状態です。写真でも、なんとなくトロみとテカリがあるのがわかると思います。

粘性は、MLSSが高いときや油脂分解が遅れているときに上昇します。粘性が高いと、①や②の沈降性にも影響を及ぼします。

以上がバルキングチェックポイント3選になります。

このような状況が発生している場合は、すぐに対策が必要です。

今回ご紹介したお客様は、 油脂分解の遅れ難分解性物質の流入 が原因でした。そのため、弊社取扱いの 油脂分解剤「油トールB-SW」 と 栄養剤「SANA-N改1-SW」 を使用しました。

油トールB-SW

油トールB-SW<

SANA-N改1-SW

SANA-N改1-SW
 

これらの資材を適切に投入し、弊社のノウハウに基づいて施設運用を行った結果、以下のような改善が見られました。

改善点1汚泥界面の改善

汚泥界面の改善
汚泥界面 1m ⇒ 2.2mまで沈降

 

改善点2SV30の改善

SV30の改善
SV30 100% ⇒ 41%まで改善

 

改善点3粘性の改善

粘性改善
粘度 90 ⇒ 15まで改善

このように、適切な対策を講じることで、大幅な改善が可能です。

弊社取扱いの資材を適正量使用し、それに合わせた施設運用を行うことで、槽内の油脂分解を促し、生物活性を向上させ、バルキングの対策につなげることができます。

「チェックポイント3選」は、「これはなんだろう?」と思ったときに少しでも参考になれば、という思いでご紹介しました。

では次回のチェックポイント3選でお会いしましょう。

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よくあるバルキングの原因と対策事例はこちら

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排水処理場の「油脂処理チェックポイント3選」をご紹介

 2025/03/27   

こんにちは。澤本商事の澤本剛希です。
気温も暖かくなり、春を感じられる季節になってきましたね。気温上昇に伴い、花粉や黄砂も多くなってきましたので、皆様体調には気を付けてお過ごしください。

さて本日は、本題にもある通り、排水処理場の「油脂処理チェックポイント3選」をご紹介したいと思います。
これまで、様々なお客様の排水処理場を見てきたわけですが、やはり油の分解にはどの処理場も困っているご様子です。
今回は、これに当てはまったら即対策!といった、現場での簡易的なチェックポイントをまとめましたので参考にして頂ければと思います。

チェックポイント1「曝気槽に泡が出ている」
曝気槽の泡
曝気槽にこのような泡が出ているときは、対策が必要です!
油分が多い泡はなかなか消えず、槽内環境を悪化させます。

チェックポイント2「オイルボール(油の塊)が発生している」
オイルボール(油の塊)
オイルボールが出ていると対策が必要です!
原水成分で油が多いと、このように白いつぶつぶのオイルボールが調整槽で発生し、その後の曝気槽で分解できず、槽内環境を悪化させます。

チェックポイント3「沈殿槽センターウェルで泡が発生している」
沈殿槽センターウェルの泡
沈殿槽のセンターウェルに曝気槽のような泡がたまっている場合も即対策が必要です!
処理できずに油が残っている指標になります!

以上が、主な油脂処理の「チェックポイント3選」となります。
このようなことが起こっている場合はすぐに対策が必要です。

「チェックポイント3選」のようなことが起きたときに登場するのが、弊社取扱いの資剤油脂分解剤「油トールB-SW」・栄養剤の「SANA-SI-C1-SW」・栄養剤「SANA-N改1-SW」です。

<油トールB-SW>
油トールB-SW

<SANA-NSi-C1-SW>
SANA-NSi-C1-SW-SW

<SANA-N改1-SW>
SANA-N改1-SW

こちらを実際に投入し、弊社ノウハウをもとに施設運用した時の改善事例は以下のとおりです。

1.曝気槽の泡改善事例

2.オイルボール改善事例

3.沈殿槽の泡改善事例

このように、しっかりと対策を行った結果、大幅な改善をすることが出来ました。

弊社取扱い資剤を適正量使用し、それに合わせた施設運用を行っていけば、槽内の油脂分解を促し、それに伴い生物活性・バルキング対策に繋げることが出来ます。
また、油が多い排水処理現場では臭気が発生します。油を分解することで、臭気発生を事前に防ぐことにも貢献します。
上記の「チェックポイント3選」は、これはなんなんだろう!?と思ったときに少しでも参考になれば!という思いで記載しています。
次回もまた排水処理に係る油とは別の「チェックポイント3選」でお会いしましょう!!



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設計と法規制の壁 – 乗り越えるからこそ生まれる価値

 2025/03/25   

みなさん、こんにちは。野崎徹です。

前回のブログで、排水処理施設計画において屋根付きの機械室などを設ける場合、ほとんどのケースで確認申請が必要になることをご紹介しました。
実は、それだけではなく、建築基準法に加えて都市計画法、工場立地法、消防法、さらには各種条例など、あらゆる法令をクリアしなければなりません。

施主様から「こんな小さな機械室で、そんなに大げさな届出が必要なの?」と驚かれることもありますが、日本の建築関連法令は非常に厳格です。
そのため、計画の初期段階から各種法令のチェックを行い、必要な届出に向けた資料を準備することが重要だと感じています。

先日、消防法関連の事前協議のため掛川消防署を訪れた際、掛川城が見えました。



こちらは平成6年に復元されたそうですね。
その姿を眺めながら、「復元設計者の方々も、法適合に相当苦労されたのではないか」と思いを馳せてしまいました。

法律や規制が多く、設計には様々なハードルがありますが、それを乗り越えることで、安全で機能的な施設を実現できます。
制約があるからこそ工夫のしがいがあり、設計の奥深さを感じる日々です。
これからも、より良い計画を提案できるよう努めていきたいと思います。

チェコの水処理事情は?!水と文明の関係を探る

 2025/03/17   

みなさん、こんにちは。澤本悟博です。
現在、東欧ハンガリー → スロバキア → チェコ → オーストリアの視察に来ています。

チェコの首都プラハには街の中に河が流ています。
日本では「モルダウ川(ドイツ語)」として知られています。
プラハの中心部を南北に流れている川で、チェコ国内最長の川とのことです。

プラハ市内では旧市街とプラハ城の間を流れ、有名なカレル橋がかかっています。
フランツ・カフカ博物館近くの川のほとりでカレル橋とヴルタヴァ川が一望できます。
下流にはドイツのドレスデン → ベルリンまで繋がっています。

国と国を繋ぐ川は重要な交通手段であり、航路での荷物、人の移動に使用され、大陸を縦断するには川は大切な資源となっています。
そのためなのか市内のトイレも綺麗に使用されて、街並みもゴミが少なく綺麗です。
当然のように排水規制も厳しく、汚水は流せない!
一国の汚染流出のために何カ国も被害に遭ってしまうからです。
工場や畜産関係の処理施設は日本と同じように活性汚泥法が多いようです。
気候も雪は少ないのですが、乾燥して寒く、夏は33~35℃と暑く、東北の太平洋側の気候と似ています。
季節変動も大きいことから、管理は容易ではないと推測されます。
次回は顕微鏡で微生物観察してみたいものです。

生活用水として、水道水は軟水器を通しているようですが、飲水は各家庭にウォーターサーバーを使用しているようです。
プラハの水道水を採水してきましたので、分析を行って、成分や水の法則性等を調べてみます。

水のあるところ文明は栄えます。
水を大切にする文化は日本とも共通ですね。

弊社では、環境保護・コストダウン・持続可能な未来への観点から、事業に利用する「水」そのものの見直しとご提案をしております。
浄水・水道水などの一般の水を、「改質水(SW1水)」という微細分子で活発な状態の水に変化させ、排水処理だけでなく、農業、飲食店、金属加工工場、食品加工工場など様々な業種の現場で活用していただいています。
「改質水ってなに?」と思われた方、ぜひ以下のページをご覧ください!

浄水から改質水へ(天城抗火石・改質水導入方法)

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